Xiaomi MIBAND4
MIBAND4
フィンランドの夏2020、コロナの影響で旅行も行けず、フィンランド国内に留まっていた。
フィンランドで出来ることといえばただ1つ・・・
サウナ
私はコテージを借りたり、島貸切コテージに招待してもらったりとフィンランドの夏サウナを満喫していた。
そう、MIBANDを腕に装着したまま!
MIBANDは家にいるときはもちろん、シャワーや寝るときも常に一緒に過ごしてきた。
かれこれ5年以上・・・
これまでMIBAND1S、MIBAND2、Huami Amazfit、MIBAND4と使い続けていたが、MIBAND4以外はバンドの破断やAmazfitはバンド接続部の破断で廃棄していた。
しかし、今回は違った・・・。
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フィンランドのサウナは日本の高温低湿のサウナとは異なり、ロウリュと言われる低温高湿のサウナである。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%83%A5)
低温といっても80度以上、サウナによっては90度を超える。
そして大量の水(ほとんどのサウナはお湯)を熱したストーンにかけ水蒸気を発生させる。
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サウナの話が長くなったが、結局はこのサウナで私のMIBAND4は壊れた。
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人間が耐えられるレベルのTHB試験で壊れてしまった。
THB、高温高湿バイアス試験は基本的に電極間の腐食を評価する。人間用ではなく電子部品用の試験。
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・・・というわけで、中身をみてみよう。本当に腐食しているのか、なぜサウナに耐えられなかったのか。
まずはディスプレイ部をドライヤーで熱し、ディスプレイ部をはがす。このとき熱しながら万力などで挟むことで外装にストレスを与え、ディスプレイ部の薄利を促すことが出来る。
ディスプレイ部を剥がして判明、コネクタ部と振動モータが腐食している。
よーく見るとうっすら水分すら確認できる。
裏面をみてみよう。
右のコネクタの色が素敵なので顕微鏡でちぇーっく
がっつり腐ってますね。この端子はディスプレイにつながるものです。反対側も見てみます。
がっつり。
ただのサウナだけではここまで水は入らないでしょう。
でもフィンランドだから・・・
そう・・・
サウナのあとは湖や海に飛び込むのがフィンランド流
これが原因で今回、このMIBAND4は腐食してしまいました。
MIBAND4の防水性能は5ATM、さすがに飛び込んだ海(or湖)の水深は5-10mほど、飛び込んだぐらいだと3mぐらいしか潜れません。
実際に媒体内に水が入る原因としては水の深さやサウナの高湿ではなく、
[高温により媒体の温度が上昇]→[くっそ冷たいフィンランドの海(or湖)に飛び込んだ]→[媒体内の空気が急激に冷やされ負圧]→[水進入]
という流れかと思います。
MIBAND4の動作温度は-10~+50度らしいので、そもそもサウナはNGですしね。
これを思うと、もし自分がこういった機器を設計する際は完全気密は無理でも出来る限り空気の入るエリアを狭くする必要があるなと思いますね。
自分の過失で壊してしまっといてアレですが、ついでにほかの部分も見てみます。
空きパターンが多い。メイン基板にはBGAとLGAらしき空きパターンが2つ。このモデルは国際版で、中華版のNFC用パーツがここにくるのかな?
ディスプレイ側のフレキにNFCの文字が。
それと、この子、なにげ6DoFの加速度(3axis)、ジャイロ(3axis)も載ってます。
最初、開けた際に普通の振動モータが出てきてびっくりしたが、Lipoの厚みを考えると大して問題にならない。
電池は4.35Vの135mAhと書いてある。
4.35Vが一般的と知らなかった。「Lipoは4.2V」と洗脳教育をされていた。
最後に、これをばらしてみて思ったのが、中華製品なのにしっかりとコネクタを使用して組み立てを意識して設計しているところ。
こういうウェアブルな機器でコネクタはリスクになりえるし、実際、脈拍検出基板とのコネクタ部は上からグルーをつけてあった。
パッケージからして修理を意識するものではないにもかかわらず、高価?なコネクタを使い、組み立てを容易にする。
勝手な解釈になるが、[中国での組み立てコスト]>[コネクタ代]になっていると思うととても興味深い。